がん治療(手術・レーザー療法)

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当院で行っているがん治療

当院ではがん治療にレーザーを用いて、手術療法、光凝固・温熱療法、レーザー療法を実施しております。

光免疫誘導療法

治療の概要

ICG(インドシアニングリーン:循環機能検査や肝機能検査等で使用されている蛍光色素)色素剤の光特性を利用して癌治療へ応用する治療法です。
ICGは特定の波長のレーザー光を吸収して発熱(温熱)効果と、活性酸素を誘導します。しかし通常の投与ではICGは腫瘍組織に均一かつ、的確に集積させることが困難です。そのため、細胞膜と同じ素材で作られた小さな気泡(小胞、リポソーム)の膜にICGを結合させ、リポソームの内部にさまざまな抗腫瘍物質(免疫増強剤、ごく低濃度の抗腫瘍剤等)を内包させ、確実に腫瘍に到達させます。
この薬剤の毒性・副作用の評価試験では、一般状態および病理学検査でも異常は認められません。また、がん細胞の免疫を誘導することがわかっております。
本剤(ICGにリポソームを修飾した薬剤)を1回静脈点滴し(腫瘍により毎週一回、分割投与)、その後週3回以上のレーザー照射を、3週間行い効果を判定します。また同時に自然免疫増強剤(丸山ワクチン)を併用します。

治療の流れ

ICG-Lipo治療の流れ図
ICG-Lipo治療概略
本治療は無麻酔で治療できる画期的な療法です。
現在、この療法は鳥取大学との共同研究で実施される治験段階です。

上記治療のほかに統合医療を取り入れ、オゾン療法、プラセンタ療法、サプリメント療法などを組み合わせ、その子その子に適した治療を取り入れております。
抗癌剤等の化学療法は、一部の薬剤(分子標的治療薬など)を除いて実施しておりません。連携している治療施設をご紹介いたします。

手術療法

レーザー外科手術は、腫瘍の状況に合わせて半導体レーザー、炭酸ガスレーザー、ヤグレーザーなど種々のレーザーメスを用いて切開、止血・凝固を行います。手術侵襲や出血の少ない治療が行えますので、より良い術後回復と転移リスクの少ない手術が望めます。
 

光凝固・温熱療法

レーザー温熱療法は、光感受性薬剤をがん細胞に集積させ、特定の波長をもったレーザー光を使用し活性酸素によりガン細胞を壊死させる「光線力学療法」と、がん細胞の生存温度の上限(42℃程度)と正常細胞の上限(45℃程度)の差を利用してガン細胞のみを壊死させる「温熱療法」を組み合わせた治療法です。光線力学療法と温熱療法はそれぞれ単独での治療も可能です。

光免疫治療の臨床研究(臨床研究中の治療)

光免疫治療の臨床研究について

光免疫治療は農林水産省に未だ認められていない治療で一般社団法人獣医光免疫治療研究会の有償による
臨床研究中の治療であり効果や安全性を保障できるものではありません。

当院はこの臨床研究に参加しています。

現在、実施準備中です。
治療の詳細や適応は担当獣医師にご相談ください。

治療の概要

ICGリポソーム
抗がん剤のような薬剤などを、がん組織に効率的に運ぶDDS(ドラッグデリバリーシステム)の一種です。 がん細胞に集まったICGリポソームが体表から照射されたレーザー光により膜が破壊され、正常細胞に影響なくがん細胞に抗がん剤が吸収 され、キラーT細胞が誘導されることにより腫瘍を攻撃します。又、ここで攻撃されたがん細胞からアブスコバル効果(後述)により他の部位のがんにも効果が期待されます。

・ICG-Lipoとは

脂質二重膜に光増感剤としてインドシアニングリーン誘導体を組み込んだ微小カプセル構造で薬剤を封入することができます。
これに近赤外光を照射することによって活性酸素や熱を発生させるほか、内包した薬剤を放出させることができます。
優位点としては静脈内投与可能で、腫瘍選択的に集積し、抗癌剤の副作用を軽減できます。
EPR 効果
・EPR効果とは

抗がん剤のような薬剤などを、がん組織に効率的に運ぶDDS(ドラッグデリバリーシステム)の一種です。 がん細胞は分裂や増殖を行うために、新たな「新生血管」を作りだしますが新生血管は血管壁が正常血管よりも荒く、100?200nm(ナノメートル)程度の隙間が空いています。ICGリポソームは200nm以下の低分子です。つまり正常血管からは漏出しないことで正常組織には副作用が出ず新生血管からがん細胞にのみ蓄積されます。さらに、漏れ出した薬剤等はふたたび血管内に戻りにくく、がん細周辺に留まります。これをEPR効果と言います。

次に、ICG Lipoを用いた腫瘍組織の同定について検討を行いました。

粒子径20?200nmの物質は、腫瘍組織の未熟な新生血管内皮の隙間から漏れだし、腫瘍組織に集積することが、EPR効果として報告されています。
我々の開発したICG Lipoの粒子径を調整すれば、EPR効果により腫瘍組織特異的な集積が可能となると予測しました。

1)Y. Matsumura and H. Maeda, Cancer Res., 46, 6387(1986) Vol.58, P.469 熊本大学 前田浩教授
腫瘍特異的局在性
・EPR効果による腫瘍への局在性

上記の写真とグラフはマウスにICGリポーソムを静脈内投与し3日後までの腫瘍への残留を正常組織と腫瘍組織で比較したものです。腫瘍組織に多くの薬剤が残留していることが分かります。
アブスコバル効果への期待
・アブスコバル効果とは

1か所のがんを治療した時、治療していない別の部位の腫瘍も縮小効果がある現象をいいます。
ICG-Lipoによる光免疫治療
・ICG-Lipoとは

脂質二重膜に光増感剤としてインドシアニングリーン誘導体を組み込んだ微小カプセル構造で薬剤を封入することができます。
これに近赤外光を照射することによって活性酸素や熱を発生させるほか、内包した薬剤を放出させることができます。
優位点としては静脈内投与可能で、腫瘍選択的に集積し、抗癌剤の副作用を軽減できます。

移行上皮癌の治療経過
膀胱の超音波画像

2次診療施設で膀胱の半分を切除。5か月後再発により血尿が出始め、2次診療施設を受診したが手術は不可能との事で当院に上診。相談の結果、光免役誘導療法を行うことになりました。 
モコちゃん
パピヨン 避妊メス 3.7kg.
2006年 12月生まれ
初診時、7mm大の腫瘍塊
初診時
7mm大の腫瘍塊
第1クール、2週目終了
第1クール
2週目終了
第2クール、3週目終了
第2クール
3週目終了
第4クール、3週目終了
第4クール
3週目終了
3ヶ月後には腫瘍は認められず寛解が得られた。

メラノーマ手術後の光免疫誘導療法

レーザー照射による腫瘍切除

ライラちゃん 16歳 雌
ライラちゃん
16歳 雌
黒く膨らんだ所が悪性の腫瘍
黒く膨らんだ所が
悪性の腫瘍
レーザーを照射して腫瘍を蒸散減量
レーザーを照射して
腫瘍を蒸散減量
患部の保護のため粘着性ペーストを塗布
患部の保護のため
粘着性ペーストを塗布
メラノーマ切除後の光免疫誘導法 レーザー照射により腫瘍を蒸散し、光免疫誘導療法を行うことで腫瘍の再発を防ぎます。